大阪府吹田市の動物病院です。ペットの悩みから飼い方まで地域のホームドクターとしてあり続けます。一般診療から眼科、皮膚科診療も行います。駐車場完備(休診日:水曜)

シェル動物病院:大阪府吹田市五月が丘の動物病院|大阪・吹田・千里・南千里です。
シェル動物病院:大阪府吹田市五月が丘の動物病院|大阪・吹田・千里・南千里です。
駐車場完備

ワンちゃんのワクチン – ワクチン接種の方法

> 考えてあげたい健康管理と予防 > ワンちゃんのワクチン – ワクチン接種の方法

ワンちゃんのワクチン接種の方法

仔犬は母親からの母乳を介して母親の持つ免疫を譲り受けます。これを移行抗体と呼んでいますが、この母親から譲り受けた免疫は一時的なものでしかなく、生後6~13週齢くらいで徐々に効果がなくなります。この移行抗体の効力が切れる時期が仔犬にとって大変危険な時期で、この頃に病気にかかりやすくなります。しかし、母親譲りの免疫がまだ残っている時期にワクチンの接種をしても十分な免疫効果を得ることができません。母親から譲り受けた免疫力がなくなったときに、タイムング良くワクチン接種を行うことができればよいのですが、実際には困難なことです。そのため、初回のワクチン接種は無効になるかもしれませんが予想以上に早期に免疫力がなくなっていても危険ですので、より確実に免疫力をつけるために生後6~8週齢で1回目のワクチン接種を行い、3~4週間間隔でさらに2回の追加接種を行うのが一般的です。

この一般的な仔犬のワクチンプログラムでは、最終接種が最短でも12週齢となり、仔犬の社会化にとって一番大切な生後3~12週齢の間は免疫力が十分でないために、外の世界や他のワンちゃんとの接触が制限されるために、仔犬の社会化にとって1つの大きな障害になっていました。しかし、現在はワクチンの開発が進み移行抗体が存在する生後4週齢から接種可能なワクチンが開発されています。これにより最短で生後10週齢で仔犬のワクチンプログラムを終了することができます。早期のワクチン接種により他のワンちゃんとの接触や散歩に連れて行ってあげれる時期も早まり、免疫力と仔犬の社会化の両方を考慮した仔犬のワクチンプログラムが可能となります。動物病院で健康状態をチェックしてもらったうえで、その子に一番いいワクチンプログラムを獣医師とよく相談しましょう。

ワクチンの接種によって作られる免疫効果も一生続くものではなく、時間の経過とともに効果が薄れてしまいますので継続してワクチンを接種してあげることが大切です。仔犬のワクチンプログラムが終了後は年1回のワクチンの追加接種が現在推奨されています。アメリカでは最近2~3年ごとの接種も検討されていますが、日本ではまだ結論が出ていません。大切なワンちゃんが元気に暮らせるように予防できる病気はしっかりと予防してあげましょう。

【一般的なワクチンプログラム】

  • 生後6~8週齢 ・・・1回目ワクチン接種
  • 生後9~11週齢 ・・・2回目ワクチン接種
  • 生後12~14週齢・・・3回目ワクチン接種

その後は年1回のワクチン接種

【仔犬の社会化も重視したワクチンプログラム(最短)】

  • 生後4週齢 ・・・1回目ワクチン接種
  • 生後7週齢 ・・・2回目ワクチン接種
  • 生後10週齢・・・3回目ワクチン接種

その後は年1回のワクチン接種

室内飼育のワンちゃんもワクチンは必要?

「室内飼育でほとんど外に出ないのでワクチンは要らない」と思っている飼い主さんも多いようですが、外に散歩に行っている場合は感染の危険性はあり ます。また、伝染病の中には空気感染するものや、飼い主さんがウィルスを運んでくることもあります。「絶対に大丈夫」ということは誰にも分かりませんの で、ワクチン接種をしておいた方が安心です。

ワンちゃんのワクチン接種後の注意点

ワクチンはもちろん体調が良いときに受けることが大切ですが、ワク チン接種により、接種直後~数時間の間にまれにアレルギー反応(副反応)を起こす場合が認められています。確率的には5千~1万頭に1頭くらいの割合です が、事前に予測することができません。そのため、ワクチンのメリットとデメリットを天秤にかけて、ワクチン接種を行うかどうかを判断する必要があります。 しかし、一般的にはワクチンを接種せずに伝染病にかかる確率に比べ、ワクチンの副作用が出る確率のほうがずっと低いので、ワクチン接種はしたほうがよいと 思います。

ワンちゃんのワクチン接種によるアレルギー反応

  • 局所(注射部位)の痛み、発赤、腫れ
  • 顔が腫れる
  • 嘔吐
  • 元気がなくなり、ぐったりする
  • ショック症状のため舌や粘膜の色が白くなる
  • 呼吸困難

ワクチン接種した当日はできるだけ安静にしてあげてください。

重度の副反応は非常にまれですが、もし様子がおかしいと思ったらすぐに動物病院に連絡してください。

また、ワクチン接種後1週間はシャンプーなどストレスを与えることは控えてください。